このように自然災害の影響を受け、世界経済の影響を受け、日本経済の先行
きが不透明な中、医療界では本年4月に医療と介護の診療報酬が改定されまし
た。改定の度にわれわれ医療機関は影響を受けることになるのですが、当院は
創設者平生釟三郎の提唱した「人類愛の精神に基づき、あらゆる点において病
人を本位とした、悩める病人のための病院たらん」という理念のもと、これか
らもゆるぐことなく地域医療への貢献を続けたいと考えています。具体的には、
平成23年6月に行った入院診療における大幅な看護師増員、即ち、今までの10
:1看護(看護師1人が10人の患者様を担当)を7:1看護(看護師1人が7
人の患者様を担当)に移行したことにより手厚い看護ができるような体制を整
えています。また、糖尿病、消化器疾患、慢性期腎疾患などの治療については、
関連するあらゆる職種の専門家が協力し合って総合的な力を発揮できるように、
糖尿病センター、消化器病センター、血液浄化・腎センターがつくられており、
職種や診療科の壁を超えた横断的なチーム医療が行われています。以上に加え
て、がん治療、乳腺疾患の外科治療、リハビリテーションも当院の特徴となっ
ているほか、整形外科では骨折や関節疾患の治療に加えスポーツ外傷の治療や
肩関節の関節鏡手術、眼科では白内障だけでなく硝子体の手術や角膜移植、耳
鼻科では中耳手術をはじめとする耳鼻咽喉科手術全般のほか嚥下障害の診断と
治療、皮膚科では皮膚疾患全般に加え重症下肢虚血の診断と治療などをおこな
っており、外科系諸科目の手術の下支えをする麻酔科医は2名の常勤体制です。
さらに、放射線科は2名の常勤専門医が3テスラのMRIをはじめとする諸装
置の画像診断を行っています。病理診断科には3名の常勤医師がおり、病理外
来、がん相談外来、乳がんセカンド・オピニオン外来も開いています。以上の
ように当院では標榜診療科目すべての充実に力を注いでいます。
さらに、急性期の治療が終わった後の亜急性期、慢性期を過ごしていただく
ための亜急性期病床や療養病棟も備えており、リハビリテーションを中心とし
た治療を受けていただけますし、新しく認知症疾患医療センター設置に向けて
も動き出しており、高齢化社会が直面する認知症患者対策にも取り組んで行き
たいと思っております。
さて、当院は平成18年1月に財団法人日本医療機能評価機構の「病院機能評
価(第4版)」の認定病院となりましたが、新たな審査を受け、7つの領域に
ついて質が高く安全な医療サービスを提供する医療機関に与えられる「病院機
能評価(第6版)」の認定証を平成23年1月に受けています。これはチーム医
療が横断的に行われていることを示すものであり、職員一同、今以上に気を引
き締めて、さらなる質の向上とより良い医療サービスの提供に努めたいと考え
ております。
甲南病院院長 小倉 純 |